不正記録の見分け方
 乗務員が運行記録計に慣れるにしたがって、中には記録計を「いたずら」し、自分の運行を操作する者が出てくるかもしれないので、不正も一応見分けられる能力を持っていなければならない。そこで次に例を上げて説明する。

最高速度の記録を下げるために記録針を曲げた記録紙  
 記録針を下方に曲げて、実際の速度を55キロメートル毎時だしているのに50キロメートル毎時の記録が出るように「いたずら」して、管理者の指示速度を5キロメートル毎時もオーバーして走っていた一例が第1図である。この記録紙で判るように、針を曲げただけ点が下に下がるので判別出来る。
 速度の0ラインは、記録紙上には明記できないが、0ラインの範囲は各運行記録計メーカーによってなんらかの形で表示してある。
図1
図1

異物などを使用した不正記録紙1  
速度記録計がスピードを上げても、ある範囲より上がらないように、バネ、ガム、ゴムバンド、記録紙の切り抜きや、異物などを使用した不正記録紙が第2図である 図2
図2

異物などを使用した不正記録紙2  
記録針3本をゴム紐でしばって運行し、最高速度をある程度以上に出ないようにした不正記録が第3図である。 図3
図3

その他の不正記録紙  
勤務時間をごまかすため、記録計の蓋をあけて記録紙をある時間戻したり、また、運転状況を隠すためケーブルを外して運行したそれぞれの不正記録が、第4図と第5図である。  
第4図において、走行距離記録では12時00分から13時45分まで車両が停止していたことを示す完全な円弧線が見えるにもかかわらず、12時45分の距離曲線が始まっていることは、運転者が記録用紙を逆回転させて、取りすぎた休憩時間をカムフラージュしたことを意味している。 図4
図4

第5図も一見して記録が正常でないことを示している。
すなわち、振動子が完全に作動しているのに、速度記録や、距離記録は円弧状である。
図5
図5